動機
既にインストール済の MinGW/MSYS のディレクトリを変更したくなる場合が有るかも知れません。しかし、Windows 上でディレクトリの名前を変更しただけでは、MSYS がシステムとして動きません。この記事では、ディレクトリ変更に伴う MSYS 全体の整合性を取る手順を御紹介します。
旧版 MSYS でのインストール済ディレクトリ変更手順
以下の手順は、インストール済の旧版 MinGW をC:\MinGW32 から C:\MinGW に変更すると仮定した場合です。また、追加で MinGW-w64 もインストールしている場合、 C:\MinGW64 から C:\MinGW-w64 に変更します。
MinGW を C:\MinGW32 から C:\MinGW に変更する場合の例
- Mintty 等の MSYS の bash コンソールを開いている場合は閉じる
- Windows 上でエクスプローラを使い C:\MinGW32 を C:\MinGW に変更する
- 追加した MinGW-w64 を C:\MinGW64 から C:\MinGW-w64 に変更する
- MSYS でのマウントポイント修正の為に、/etc/fstab を書き換える
(【こちらの記事】では、C:\MSYS にインストールした)
(エディタはWindows のメモ帳やワードパッドを使用可能)
次のコメント行2行目を書き換える。# で始まるがシステムは利用している
# MSYS-Portable needs this "magic" comment: # MSYSROOT=C:/MinGW32/../MSYS
- /etc/fstab の中をマウントポイントを、もう1箇所書き換える
実際のファイルでは「タブ」キーでインデントされている
# Win32_Path Mount_Point #--------------------------------------------------- ----------- C:/MinGW32 /mingw
- /etc/fstab の中の MinGW-w64 用のマウントポイント2つも書き換える
# MinGW-w64_Path Mount_Point #--------------------------------------------------- ----------- C:/MinGW64/x86_64-6.4.0-posix-seh-rt_v5-rev0/mingw64 /mingw64 C:/MinGW64/i686-4.9.4-win32-dwarf-rt_v5-rev0/mingw32 /mingw32
- 必用が有れば、PATH 環境変数設定用の /etc/profile を書き換える
- 必用が有れば、ホームディレクトリの「.profile」の PATH 設定を書き換える
正しく修正されたことの確認
- MSYS の bash コンソールを開く
- 「ls /mingw」コマンドで MinGW が正しくマウントされているか確認する
- 「ls /mingw64」コマンドで MinGW-w64 の x86_64 版のマウントを確認する
- 「ls /mingw32」コマンドで MinGW-w64 の i686 版のマウントを確認する
- 「which gcc」コマンドで、どの gcc が優先起動されるか確認する
- 「gcc --version」(ハイフン2つ) コマンドで gcc が正しく動くか確認する