Windows 10 において、MinGW/MSYS (1.0) の bash を MSYS 標準添付の Mintty から起動する設定方法を紹介します。Windows のタスクバー上にM字アイコンをピン留めし、クリックするだけで Mintty から bash が迅速に起動する様に設定します。
通常の起動方法では DOS 窓の中で bash が動く:
MinGW/MSYS (1.0) の起動は、デフォルトでは msys ディレクトリ内に有る msys.bat をクリックして行いますが、この方法では bash がいわゆる Windows の標準ターミナル (いわゆる DOS 窓) 内で動作します。
この状態では vim (vi improved の略で、UNIX 標準添付の vi エディタの機能改善版) 等のスクリーン エディタが使用出来ません。
Mintty 端末エミュレーターの中で bash が動くように設定する:
そこで、MSYS に同梱されている VT100 互換の端末エミュレータ (ターミナルエミュレータ) Mintty のウィンドゥから bash を迅速に起動出来る様、タスクバーにアイコンをピン留めします。
Mintty は元々は Cygwin 用に開発された物ですが、MSYS にも移植され標準の端末エミュレータとして同梱されています。尚、Mintty のソースコードは https://mintty.github.io/ からもダウンロード可能で、トップページに仕様の簡単な解説が在ります。
まずは Mintty を起動してみる:
まずは Mintty を起動してみましょう。C:\MSYS\msys.bat をダブルクリックして開いた DOS 窓の中で、「mintty」 とコマンドを打ちます。もし「sh: mintty: command not found」と表示された場合はインストール未了ですので、「mingw-get install mintty」と打ってインストールした後、再度 mintty と打ちます。
Mintty を Windows のタスクバーにピン留めする:
迅速に起動出来る様に、Mintty を Windows のタスクバーにピン留めします。タスクバー上のターミナルアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」を選択します。
- タスクバー上のターミナルアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」を選択します。
- 右クリックから、ターミナルのプロパティを開きます。
ここからは、上に貼り付けたスクリーンショットを参考に作業してください。 - リンク先の最後に「-i /m.ico -」を追加します。-i と - は mintty に渡されるオプションで、-i はウィンドウのタブへのアイコンの指定です。 最後のスラッシュ - は、mintty のオプションはここで終わりという意味です。シェルは、-e オプションでの指定を行わない場合は /bin/bash (C:\MSYS\bin\bash) が起動されます。
- 作業フォルダーを空にします。
- 以上2点を実施して「適用」を押します。
- 下部の「アイコンの変更」を押して、「参照」から C:\MSYS\m.ico を選んで、「開く」を押します。M字のアイコンが出てきたら「OK」を押します。
もしアイコンが変化しない場合、mintty を閉じてから再度実行します。 - 上部の全般タブを開き、名称を Terminal から MSYS MinTTY Terminal に変更します。
- mintty と DOS 窓 (Windows の Terminal) を終了します。
これで、タスクバー上のMアイコンをクリックすれば、Mintty から bash が迅速に起動出来る様になりました。